重たい鎖の原因は何だ②
前回の続きです。
学校が休校となっていた期間中は、オンラインで授業に参加する生徒が7割以上でした。
それに伴い、授業で使用するプリント類の準備、ZOOMの招待メール送信、実際に来ている生徒の対応、ネットの不具合が起きた場合の対応など、通常時は行ってなかった業務がたくさん増えました。
実際にオンライン授業の準備の中心となって動いていたスタッフは目が回るような忙しさだったと思います。本当に優秀な人間です。
彼はあまりの忙しさに、今もまだ床屋にも行けず髪の毛がすごいことになっています。
とにかく、私たちは何とかこの苦境を乗り越えようと、知恵をしぼり、時間を費やし、オンラインの準備のために当然お金も費やしました。
恐らく数多くの学習塾が、同じように必死に過ごしていた休校期間だったと思います。
別に自慢をしたいわけでも、褒めてもらいたいわけでもありません。
これが自分たちの仕事だから。
学習塾の仕事は、
勉強を教えて、生徒の成績を上げて、目標を達成させること。
コロナがあろうとなかろうと、いつもと同じように学校外での学習の場と機会を提供することが私たちの仕事です。
だから、休校期間中も、
目標を達成させるために、授業を行って、間違った問題の解き直しをさせて、宿題を出して、覚えたかどうかをテストして、できていなかったら叱って、きちんとできていたら努力を認めてあげる。
いつもと同じように接することを心がけていました。
「こんな時に勉強なんて・・」と言う人もいるかもしれないけど、
でも、この期間、私たちが日々行っていたのは「学習指導」だけではなかったと思います。
オンライン授業を受けている生徒の様子を見ながら、「今日も一人一人が元気に学習に取り組んでいる」ことを確認するのが、日々の大切な仕事の一つでした。
毎日じゃなくても、週2回~3回、生徒が家で取り組んだ宿題や小テストの勉強を見れば、その子がどんなふうに家で過ごしているか想像ができて、安心できます。
生徒の内面を勉強を通じて見ることで、休校期間の子供たちを見守ってきました。
だけど、学校が始まり、1週間が過ぎたところでふと思いました。
休校期間に私たちがしていた「見守り」は、本当に私たちがするべき仕事だったのか?
これは、塾に通っている人だけでなく、学校に通っているすべての子供たちが必要としていることじゃなかったのか?
本当に「見守り」が必要な子供たちが全国には、たくさんいるはずなのに。
だとしたら、この仕事は国や学校が責任を持って行うべき仕事だったのではないか?
小さな民間の塾ができることをどうしてやろうとしないのか?
なぜ、できないと決めつけるのか?
なぜ、必死にならないのか?
休校期間中、ずっと引きずっていた重たい鎖の原因は、これでした。
ずっと違和感があったんですね。
まあ、いつまでもそんなこと考えていても仕方ないから、次に向けて頑張らなきゃいけないな、と思うようにしています。
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