返事はないけど、自分なりに理解する。
前回の記事「学校からは返事が来ない・・・けど。」の続きです。
大阪や東京の小学生の保護者の方からのお話を聞く限りでは、
「昨年度と、ほぼ変化がない」ということでした。
具体的に言うと、授業時間数の増加は、15分の朝学習の時間などを使ってカバーして、授業の中では、町内の学校と同様に、先生との会話を英語で行ったり、ゲームをしながら学習を進めている。
また、書くことに関しては、アルファベットの読み書きの練習はしているようですが、英語の文法は特に触れられていないとのことでした。
ネイティブの先生が月に1回来て授業を行う他は、日本人の先生が授業を行っているそうです。
やはり、何がどう変わったのかはよくわからないのですね。
でも今回、様々な資料や情報を集めている中で、小学生の英語(新指導要領)について自分なりに理解できたことがあります。
■文法・単語の習得について
・「今日の天気はどうですか?」「日本には、おもしろい場所がたくさんあります。」
など、身近な(?)話題について英語で話せるようにする。
・新指導要領では、様々な場面を想定して多くの英文に触れることを目的としている。
・英文に触れる中で、それぞれの文法の違いに気付く。
例)「現在形」と「過去形」の違い、「単数」と「複数」の違いなど。
小学生のうちに多くの英文に触れ、それぞれの違いに気づいた状態で、
中学入学後に本格的に英文法を習えば、より深くスムーズに内容を理解できる。
ということでしょう。
単語についても同じ考えで、「書く」ことを意識しなくても、たくさんの単語に触れておおくことで、中学進学後に実際に覚える段階になったときに苦労せずに覚えることができるだろう、ということでしょう。
そう考えると、小学生の英語に求められているものが少しだけ理解できるようになりました。
中学で習う学習内容の前倒しではなく、中学での英語学習の『紹介』と考えた方が良いのかもしれません。
「こういうときは、英語で〇〇って言うんだよ~。詳しいことは、中学校で習ってね~。」という感じでしょうか。
つまり、小学校時代の英語の授業の成果が本当の意味で発揮されるのは、中学以降ということになりますが、そのことには多少の不安も感じています。
場合によっては、小学校時代のツケが中学に回ってくることもあると言えるからです。
文法についても、もう一つ気になることがあります。
学生時代に日本語を学ぶ外国人留学生から、日本語学習の難しさについての話を聞きました。
「日本語を耳で聞いたり、実際に話すことで普段の会話はすぐに上達する。
でも、それを文法的に理解して正しい文を書くことは、とても難しい。」
いざ、日本語について文法的に説明しようとすると、日本人の私でさえ、とても難しいと感じたことをよく覚えています。
新しい時代の子どもたちは、小学生のうちから英語を聞いたり話たりすることで、英語を使う力は、どんどん伸びていくと思います。
しかし、文法的な理解については、これまでと同様に困難を伴う可能性もあります。
実際に「What's this?」を「What this?」と発音したところで、小学生のうちは気付かれることも少なく、特に指摘もされません。
「書く」作業を省略しているうちは、おそらく自分の間違いに気づかないまま過ぎていくはずです。
でも、中学に入って文法を学ぶようになれば、明らかに間違いを指摘されます。
テストに書いたら、完全に×です。
その差をどう埋めていくのか、
中学校での英語の指導が益々大変になるのではないかと感じています。
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